・適切な社会保険への加入

 

 

令和2年の建設業法改正で社会保険の加入義務が明記されました。
「健康保険」「年金保険」「雇用保険」に関して、適切な保険に加入する必要があります。

 

 

会社の形態 人数 種別 雇用保険 医療保険 年金保険
法人 1人~ 従業員 雇用保険

・協会けんぽ
・健康保険組合
・適用除外承認を受けた国民健康保険組合

厚生年金
役員等

・協会けんぽ
・健康保険組合
・適用除外承認を受けた国民健康保険組合

厚生年金
会社の形態 人数 種別 雇用保険 医療保険 年金保険
個人事業主 5人~ 従業員 雇用保険

・協会けんぽ
・健康保険組合
・適用除外承認を受けた国民健康保険組合

厚生年金
1人~4人 従業員 雇用保険

・国民健康保険
・国民健康保険組合

国民年金
1人親方

・国民健康保険
・国民健康保険組合

国民年金

 

 

雇用保険について

・雇用保険とは
労働者が失業した場合や会社を退職した場合に失業給付を受けることができる保険です。
事業者は労働者を1人でも雇っていれば加入する義務があります
保険料は事業主と従業員が折半して払います

 

労働者が週所定労働時間が20時間以上等の要件に該当する場合は常用であるかを問わず加入する必要があります

 

役員や個人事業主は雇用をする側なので加入することはできません

 

医療保険について

・健康保険組合とは

大企業単位または同業種の企業などが集まって独自に設立する組合で健康保険法に基づいています。
「組合健保」とも呼ばれています。
組合健保は「単一健保組合」と「総合健保組合」とに分かれています。
「単一健保組合」は従業員が常時700人以上いる会社が独自に設立するものです。
「総合健保組合」とは2社以上で従業員数が合計3000人以上となる場合に共同設立する保険組合です。

 

・協会けんぽとは

国内最大規模の健康保険事業を運営している保険者で、「全国運営保険協会」といいます。
健康保険法に基づいていて健康保険組合を設立できない中小企業が主に加入しています。

 

・国民健康保険組合とは

同種の事業・業務の従事者を組合員として組織されている組合です。
国民健康保険法に基づいていて、従業員5人未満の個人事業所の事業主やその従業員、一人親方などが加入しています。
従業員が5人以上となった場合は原則加入することができなくなるのですが、適用除外承認を受けることで引き続き国民健康保険組合に加入することができます。

 

・国民健康保険とは

会社の健康保険など他の医療保険に加入できない人が対象の保険です。
日本は何らかの公的医療保険に加入しなければならないので、他の医療保険に加入できない人の受け皿的な役割を果たしている保険です。保険者は市区町村と都道府県となります。

 

年金保険について

 

・厚生年金とは

厚生年金保険は会社などに勤めている従業員を対象とした社会保険で国民年金に上乗せするかたちで事業者と従業員が折半して保険料を納めています

 

・法人事業者は役員を含めて加入する義務があります
・個人事業主の場合は建設業では従業員5人以上で加入する義務があります

 

・国民年金とは

20歳から60歳未満のすべての人が加入する保険です。保険料は全額自己負担となります
国民年金は第1号から第3号までに分けられています
・第1号被保険者 20歳以上60歳未満の自営業者、フリーランス、学生、無職の人など
・第2号被保険者 会社員・公務員
・第3号被保険者 第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者(年収130万円未満)